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食品メーカー営業のメリット・デメリット

食品メーカーの仕事

 筆者が食品メーカーの営業として働いており、その良さ・悪さ色々な面を見ることができたのでそれをお伝えし、これから食品メーカー営業に就職・転職しようとしている人の参考になれば幸いです。
※筆者の勤める会社は中小と大企業の間くらいで、ボリューム層だとは思います。(売上年間300億弱くらいです)

メリット

 食品メーカー営業として働いている中でお得だと思った点は
・安定している
・食にはあまり困らなくなる
・知り合いが増える
・外に出ることが多い
・比較的専門知識が少なくてもやっていける

ルート営業が多い
などが挙げられます。

安定している

 営業に限らずですが、食品メーカー自体が安定している業界といえます。食べ物は私たち人間が必ず摂取する必要があり、最低限の需要はなくなることがないため、それを生産・供給する食品メーカーは大きく急に売り上げを減らすことは少ないです。昨今、日本国内において原料の値上げが爆発的に進んでいるため見通しは少し悪くはなりますが、それは自社だけでなく周りもそうであるため、自分の勤めている会社だけが急に厳しくなることは少ないです。そして、食品業界というのは、工場建設・原料の確保など立ち上げに莫大な費用・手間がかかるため新規参入の障壁が高く、急にベンチャー企業が業界を脅かすなどのことは起きづらいです。

 また万が一、今の会社で働けなくなったとしても食品メーカー営業を経験しておけば、食品業界の知識は付いているため、他メーカーへの転職は比較的やり易いです。(会社によっては、同じカテゴリーの競合他社への転職は情報保守の観点から禁止されている場合もありますが…)
 食品メーカー営業は、人手不足の傾向があるため転職は行いやすいです。

 そういった点から、食品メーカーの営業として働くことは安定していると言えます。

食にはあまり困らなくなる

 食品メーカーで働いていると、当然ですが自社製品は使い放題に近いです。商品をお客さんに案内するためにはもちろん商品自体が必要であるため、大抵のメーカーは事務所に大量の案内用商品サンプルがあります。その中のものは基本的に使い放題のメーカーも多いので、(会社によって手続き等はありますが)必要量の一部を家に持って帰ることも可能です。そして、営業は当然自社製品の内容・味を知っていないとお客さんに案内することはできないので、むしろ商品を使う・食べることは推奨されるまでもあります。
 ※あくまでも会社によってルールは違うので、まったく商品を持って帰れないメーカーもあるかもしれません。ただそれでも、持って帰りやすいメーカーがほとんどだと思いますし、無料でなくとも、普通より安く買うことはできるはずです。
 そして、営業なら自社製品だけでなく他社の製品もいただける機会が多いです。どういうことかというと、次の項目「知り合いが増える」にも繋がってきますが、営業は他メーカー・得意先と接する機会が多いため、仲の良い所から商品をもらえる、交換し合うことも多いです。

知り合いが増える

 食品メーカー営業で働いていていると、知り合いが増えるというより、人との関わりが増えます。営業はどの業界でもある程度同じことが言えますが、その中でも食品メーカーは多いと思います。自分のお客さんとはもちろんですが、メーカーはスーパーの陳列(スーパーが改装・新店オープンする時に商品を並べたり、それに関わる作業の手伝い)に参加することも多く、その際に他に陳列に参加しているメーカーと協力することが多々あり仲良くなりやすいです。そういった所で、横の繋がりも強い業界だと言えます。特に、他メーカーとの繋がりは得意先と違い利害関係・上下関係もほとんどないため良い関係が構築しやすいです。

外に出ることが多い

 これは、言わずもがなですが事務と比べると圧倒的に外に出る機会が多いです。お客さんとの商談、スーパーの陳列応援、市場調査など営業は事務所にほとんどいないことも多いです。(会社にはよりますが。)事務所でじっとすることができない人は、向いていると思いますし、良いことではないですが外で多少ゆっくりすることもできます。

比較的専門知識がなくてもやっていける

 食品メーカーの営業というのは、他の業界の営業と比べると比較的専門知識が少なくてもやっていける印象があります。なぜなら、食に関しては誰でも毎日携わっており、どんな商品でもある程度理解はしやすく、それでも分からなければ実際に食べてみれば良いだけだからです。機械や保険の営業だと、普段使うものでもないため、自社製品の勉強は非常に時間がかかり、そういった所と比べると食品は扱いやすい領域と言えます。もちろん、時によっては、商品の成分など細かい説明を求められることはありますが、会社には開発・品質保証担当はいるので、そこに聞けば問題ありません。

ルート営業が多い

 食品メーカーの営業はルート営業が多いです。(規模があまりにも小さかったり、できて新しいメーカーだと別ですが。)ルート営業とは、すでに取引のあるお客さんを回ることであり、面識があるため相手にしてもらいやすく、コミュニケーションもとりやすい傾向にあります。営業内容としては基本的には取引のある問屋・スーパーに対して取り扱い商品を増やしてもらったり、特売・チラシに採用してもらい出荷量を増やすといったことがメインとなります。そういったことから、何十人と知らない人に声をかけ、電テレアポをしないといけない新規開拓と比べると営業の難易度は低い傾向にあります。(筆者としては、自分にとってやりづらいお客さんがいてもルート営業のため月に数回はコミュニケーションをとらないといけないため、逆に厳しい時もありますが…)

デメリット

食品メーカー営業として働いている中で、デメリットになり得る部分として
・給料が安い(安め)
・仕事が忙しい
・車を運転する必要がある
・意外に体を動かすことも多い

などが挙げられます。

給料が安い(安め)

 営業に限らず、食品という業界自体が給料は安い傾向にあります。

【全111業種】2022年版業種別モデル年収平均ランキング|マイナビ転職

 上図は業種別の平均年収ランキングですが、111業種中95位(平均年収460万円)と決して良い方とは言えません。営業だからといって特別給与が高いわけでもありません。メリットの面で、食品メーカーは安定していると述べましたが、給与水準自体は高くはなく、失業・給与の大幅減のリスクが少ないという意味での安定しているということです。
 もちろん、超大手メーカーなどは高い給与となりますが平均額としてはあまり高くないということになります。

仕事が忙しい

 食品メーカーは給料の割には仕事が忙しいと思います。営業は自分の担当しているスーパーが改装・新店オープン等あれば、その陳列作業を手伝うことも多く、そこに終日時間をとられたりします。また次段落でも説明しますが車での移動も多いためその時間は仕事ができず、しかし事務処理が減るわけではないので担当エリアによっては運転に多く時間がとられることもあります。このように、食品メーカー営業は、メインの仕事である商談以外の作業も多く、そういった作業が集中すると忙しくなることが多いです。また、営業であるため、お客さんの都合に左右されることも多いのでなかなかうまくスケジュールを組み立てることが難しいです。

車を運転する必要がある

 スーパーなどは駅チカにないことも多く、そういった所へ訪問する際は車を使用することが多いです。田舎の方の地域だと特に車移動は必須で、都会でもサンプル等の備品が多い場合は車で移動しなければなりません。運転が好きな人にとってはメリットとも言えますが、苦手な人でも運転は避けることが難しいです。しかし、最初は上司と同行もあり、次第に運転も慣れてくるのでそこはあまり心配はいらないとは思います。

意外に体を動かすことも多い

 食品メーカーにおいては、営業といえど体を動かすことは意外と多いです。この記事内でも何度も述べているように、スーパーの陳列作業も多く、その際は結構な重労働となります。自分が扱う商品のカテゴリーにもよりますが、飲料や米・塩など重量のある物だと並べるだけでかなりの負担になり、そうでなくとも棚の高さを変えるといった作業もあり、その棚自体も決して軽いものではないので大変です。脅しのようになってしまいましたが、周りのメーカーも助けてくれますし、少し大変な作業というだけで、とてもできない事という訳ではないのでそこまで不安になる必要はありません。

 

おわりに

 上にて挙げたメリット・デメリットは、筆者が食品メーカー営業として働いている中で感じた一部のものです。そして、車の運転が多いといったように人によってメリット・デメリットの感じ方は違うため、一概に良い悪いと判断は付かないと思います。この記事を見て、食品メーカー営業に就職・転職の判断基準の1つにしていただければ幸いです。

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