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営業における用語

食品メーカーの仕事

 食品メーカー営業として、よく耳にする用語の解説をします。食品業界ならではの用語も数多くあり、得意先と話す際に相手は理解している前提で話すことも多いため、ぜひ知っておくべき用語を中心に記載しております。

商談時

NET

 NETとは、商品の最終的な卸値のことです。この用語は大体、問屋との話の中で出てくることが多く、問屋に「うちのNETは?」と聞かれたら問屋への卸値を言えば良いです。最終的な卸値というのは、仕切から即引や条件(別記事に説明記載)などの値引きを引いて求められる「結果的に問屋はその商品をいくらで買ったか」の金額部分になります。

納価

 納価とは、人によって捉え方が違う時もありますが、基本的には問屋がスーパーに売る時(卸す時)の商品の価格のことです。上記で説明した、NETとも近い意味になりますが、netはメーカー・問屋間の価格、納価は問屋・スーパー間の価格のこととイメージすると良いです。大体スーパーのバイヤーは「うちの納価は?」はという聞き方をします。ただ、納価というのは「納める価格」と書くくらいなので、問屋がNETのことを納価と言うこともあるのでそこは気をつけた方が良いです。(問屋にとってはメーカーか商品が自社に納められる時の価格=納価を聞いているので間違いではないので)

粗利率(値入率)

 粗利率(値入率)とは、商品を自分の先のお客さんに売った時、何%の利益が生まれるかといった数値になります。自分の先のお客さんとは、メーカーにとっては問屋に卸したときに原価に対して利益がどれくらいか、問屋にとってはスーパーに卸したときに何%の利益が生まれるか、スーパーにとってはお客さんに商品を買ってもらうと利益がどれくらいかといったように、どの立場でも利益率は考える必要があります。
 計算方法としては、
(「売値または卸値」ー「元値」)÷「売値または卸値」×100=値入率
となります。
 90円のものを100円で売ると(卸すと)、
(100-90)÷100×100=10%
と10%の利益が生まれることが分かります。
 利益が無い状態で売っても仕方ないので、値入率は得意先にとって非常に重要な要素です。商談時にはよく、「うちの値入はどのくらい?」といった風に聞かれます。これはあくまで目安ですが、問屋の値入は10~20%、スーパーの値入は25%~40%くらいが多いです。

定番、スポット

 スーパーにおいて、商品の扱われ方として「定番」「スポット」と主に2種類あります。

「定番」…普通の棚に並べられ、基本的には棚替えが行われるまでの半年間は並び続けます。意味合いとしては、そのスーパーの通常の品ぞろえ品という意味です。

「スポット」…半月や1か月といった、期間限定で定番の棚以外に並べられる商品のことです。スポットとしてよくあるパターンは、エンドに特売品を山積みに積み上げ、お正月におせち特設コーナーをつくり栗きんとんや田作りを並べるといったことがあります。

モジュール

 モジュールの一般的な意味は、「部品」といった意味になりますが、食品メーカー営業としての使い方は違います。この業界では「ある商品の店舗導入率」という意味になります。どういうことかというと、同じスーパーでも店舗によって大きさ・間取り・客層は違うため品ぞろえは完全に一緒という訳ではありません。ある店舗に導入されている商品でも、違う店舗には入っていないということもあり、商品のモジュールが上がることでメーカーの商品の売り上げが上がることにも繋がります。よくある使い方としては、モジュールが上がる=商品の導入店舗数が増えることを「モジュールアップ」と言います。

SKU

 SKUとは、「商品の種類の数」のことです。スーパーはこれを、店舗・カテゴリーごとに管理することが多く、例えば鍋つゆカテゴリーにおいてSKUの数が20であれば、鍋つゆの棚にアイテムは20種類あるということです。

POS

 POSとは、商品の売上数量・金額といったデータのことです。これは、スーパーごとのデータの他に、地域ごと、全国のPOSデータなど様々あります。商品提案の際は、このPOSデータを参考にして提案することも多いです。(スーパーからしても売れる商品を置かないと意味がないので、POSデータは実際の売上データとなるため非常に参考になるからです。)

陳列時

フェイス

 フェイスとは商品の正面のことを言い、また商品棚に並んだ時の商品の列の数を「フェイス数」と言います。つまり、「1フェイス」だと商品は棚に一列で並んでおり、「2フェイス」だと棚に同じ商品が隣り合わせで2列で並んでいるということです。基本的に、スーパーが推している、よく売れる商品がフェイス数多めの傾向が高いです。

商品棚正面図
カテゴリー

 スーパーの棚は、大きくカテゴリーごとに分かれています。カテゴリーとは商品群のことであり、例えば「カレーカテゴリー」「農産乾物カテゴリー(ごまや高野豆腐など)」「米飯カテゴリー」などに分かれています。実際にスーパーの棚をイメージしてみると分かるように、商品棚はある程度同じ部類の商品が並んでいると思います。(カレーの棚に急に醤油が並ぶことはないといったように。)
 また、このカテゴリーはスーパーによって様々な分け方であり、例えば「パスタ」と「粉類(お好み焼き粉など)」が棚で分かれているスーパーもあれば、店舗があまり大きくないため細かな分類ができず「パスタ・粉類カテゴリー」といったように一緒になっているスーパーもあります。
 そして、季節指数の高い「鍋つゆカテゴリー」などは季節限定のカテゴリーであるといったこともあります。

エンド

 スーパーの棚の端の部分を指します。ここには特売品や、スーパーの企画品(例えばお好み焼きコーナーをエンドにつくり、粉やソースを並べるといったように)といったようなスポット品が並ぶことが多いです。もちろん、定番の棚に入っている商品の中でも、一押しの商品であるため定番とエンド両方に並ぶこともあります。エンドは定番棚と比べ、目に入りやすい位置にあるため、売れやすい傾向にあります。また、レジ近くのエンドだと、レジ待ちの間についで買いをしてもらえるといった利点もあります。

フック

 フック商材とは、フック陳列ができる商品のことで、商品上部にフック穴が開いており、棚に並べるのではなく棚の端の空いたスペースなどにフックを設置しそこに引っかけておくといった陳列方法になります。フックに引っかける必要があり、天かすなど軽めの商品がフック商材になることが多いです。また、近いものとして、吊り下げ商材(商品自体にはフック穴がないが、メーカーがその商品を吊り下げるための什器を提供し、それを吊り下げてその上に商品を陳列する)やカレンダー商材(納品形態の時点で吊り下げできる厚紙に商品が張り付けられているもの、カレンダーのように見えるためそう呼ばれる)などがあります。

仕切(板)

 商品棚に差す、種類の違う商品と商品の間を分けるための板です。

前出し

 商品をお客さんに見えやすいように棚の手間に移動させることです。商品が売れていくと、当然手前から商品がなくなっていくため最後の方は棚の後ろにしか商品が残らず、角度によっては在庫が見えず販売チャンスを逃す可能性があります。そのため、後ろに行ってしまった商品を手前に移動させることで、お客さんの目に止まりやすくなり、なおかつ棚の見栄えも良くなります。

アイライン

 商品が一番売れやすい高さにある棚のことで、目の高さと同じ位置ある棚がそれに該当します。お客さんからすると、目の高さにある商品が一番目につきやすいため、その高さにある商品を手に取る傾向にあります。棚の高さ・種類にもよりますが、だいたい上段2段目、3段目あたりがアイラインに当たります。

その他

処分品

 賞味期限が近い、終売になるなどの理由により超特価で売る商品のことです。メーカー側の在庫が賞味期限が近くなり安く売ることもあれば、問屋の倉庫にある商品の賞味期限が近くなるパターン、スーパーの在庫品が賞味期限間近になり処分品として販売するなど様々なパターンがあります。

NB商品、PB商品

「NB商品」…ナショナル・ブランド商品の略であり、メーカーの一般的な商品を指します。これは、どこのスーパーでも取り扱うことができ、商品にもメーカー名、メーカーロゴを入れることができます。

「PB商品」…プライベート・ブランド商品の略であり、スーパーとメーカーが共同で開発した商品のことで、その商品はそのスーパーでしか売ることができません。スーパーの専売品であり、内容量・仕様・デザインなどある程度スーパー側の自由に決めることができるため、競合他社と差をつけることができます。代表例としては、イオンのPBであるトップバリュなどが当たります。また、PB品にはメーカー名、メーカーロゴが入ることはなく代わりにPBロゴ(トップバリュの名前・ロゴなど)が入ります。(裏面表示の製造者の欄には、製造元のメーカーが入ることが多いので、そこでどのメーカーが作っているPB品かは判別することができます。)

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