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食品メーカー営業の仕事

食品メーカーの仕事

 筆者は食品メーカー(規模で言うと中小と大企業の間くらい)の営業として働いております。食品メーカーにこれから就職しようと考えている、または働き始めた人の参考になるような記事を書いていきます。

はじめに

 食品メーカーの営業は、まずはもちろん自社の商品を少しでも多くのお客さんに買ってもらえるよう活動することが主な仕事です。お客さんとは私たち一般消費者、飲食店、スーパー、問屋(次で説明)といったように人によってさまざまな解釈がありますが、
主には、
①家庭用(スーパーで商品を並べてもらうことで一般消費者に購入してもらう)
②業務用(飲食店や総菜屋さんで使ってもらう)

の2種類に分かれます。
 メーカによって家庭用に強い、業務用のみといったように特色はありますが、本サイトでは一番想像のしやすい家庭用を例に記していきます。(業務用でも大筋は一緒です。)

※ちなみに、CMでよく見るメーカーほど家庭用に特化している傾向が強いです。
(私たち一般消費者に向けてアピールしているということは、それほど家庭用に注力しているという
ことなので)

問屋とは

 食品メーカー営業として、まず最初知らなければいけないことは「問屋」という存在です。問屋とはメーカーとスーパーの間に入って物やお金のやり取りを仲介する企業です。ほとんどのメーカー・スーパーがこの問屋を介してやり取りしています。
 問屋はメーカーから商品を仕入れ、自分の利益を上乗せした上で、スーパーに商品を販売します。その上乗せ分により問屋は稼ぎを出しています。

 では、なぜ問屋の存在が必要なのか、問屋を介さなければ無駄な仲介料が発生せずにメーカーもスーパーもお得にやり取りすることができます。しかし、先ほど述べた、ほとんどのメーカー・スーパーが問屋を介してやり取りをしているという事実から分かるように、両者にとって何かしらのメリットがあるために問屋という存在があります。
 
そのメリットというのは、
(メーカー側)
・各スーパー・各センター(スーパー側が持つ倉庫、そこから各店舗へ輸送される)への輸送をまとめて行ってくれるため物流の手間が減る。
・メーカーとしての取引相手はあくまで問屋になるため、万が一スーパーが潰れてもお金は回収することができ、担保的存在ともなる。
(スーパー側)
・問屋にまとめて注文をあげれば良いので、発注の手間が減る。(取り扱い品目が膨大なスーパーにおいて、各メーカーへ発注をするととてつもない手間がかかってしまう)
・小ロット(最小発注単位)の注文をすることができる。

 また、ここで注意したいことが、メーカーにとってのお客さんとはあくまで「問屋」なのです。確かに、メーカーの商品は最終的にスーパーへ卸され、その品代もスーパーから流れてきます。しかし、私たちメーカーはまずは問屋へ商品を卸し、そこからスーパーへ卸すのは問屋の仕事であり、品代に関してもスーパーからお金を回収するのは問屋であり、そこから仲介料を引いたお金をメーカーは問屋から受け取ります。(メーカーから直接スーパーへ商品を送ることもあるので、例外はあります。)
 もちろん、スーパーのバイヤーが「この商品が欲しい!」と言ってくれないと問屋も商品を買ってくれないため(売り先のない商品を仕入れても仕方がないので)、メーカーにとってはスーパー側もお客さんであることには違いありませんが、商品・お金を直接やりとりする相手といった意味では「問屋」がメーカーにとってのお客さんです。

メーカーの仕事

 メーカー営業の仕事は多岐に渡ります。
主な仕事としては
・自社商品の見積もり作成
・各商品の販売数・在庫数の調整
・得意先との商談、その準備
・社内での事務処理
・未収条件処理(詳しくは別記事にて解説)
・スーパーの陳列応援、販売応援
・スーパーの棚割り(どこにどの商品を置くか)
etc…

 もちろん会社によって、営業が担う仕事に違いはありますが、自社の商品を少しでも多くのスーパーに並べてもらい、一人でも多くのお客さんの手に取ってもらうために活動しているという点ではどの営業も同じです。
 例えば、スーパーの陳列応援、販売応援は一見意味のないような活動のようにも思えます。しかし、そういった現場にはスーパーのバイヤーが来ることが多く、そこでバイヤーとのコミュニケーションを図ったり、積極的に手伝ってくれるメーカーの商品を採用してあげようという気持ちになることもあります。その結果、陳列応援なども最終的に自社商品の販路拡大に繋がることになります。
※本来であれば、陳列応援・販売応援はあくまでメーカーの善意によるもので、その貢献度によって忖度を働かせてはいけないことになっております。しかし、バイヤーも人間なので、忖度はしないよう心掛けていても、やはり懇意のメーカーの商品を少しでも入れてあげようというバイヤーは多いはずです。

ある一日の働き方

8:00~9:00 朝礼・ミーティング
9:00~10:00 メールチェック・対応
10:00~11:00 車移動
11:00~12:00 問屋商談
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 スーパー店舗回り、市場調査
16:00~17:00 帰社・事務処理

上記は一例に過ぎず、スーパーの陳列応援の時は朝から始まるので事務所に行かず、家からそのまま現場へ直行、遅くなりそうならそのまま自宅へ直帰といったこともあります。また、得意先の場所によっては車移動が2~3時間かかることもあり、会社によっては電車移動のみしか認められない所もあります。当然昨今は、コロナ禍によりテレワークにて仕事が進むことも少なくありません。

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